テクニカル分析、つまりチャート分析とは価格の推移、あるいはその移動平均線や各種指標の推移などから、マーケットのトレンドを察知して将来の相場を予測するものです。今までの経験則というべきもので、たくさんの投資家の行動すべてが集約された軌跡とも言えます。
チャート分析の目的は将来の相場を予想することです。既知のファンダメンタルはマーケットに既に織り込まれており、市場価格の動きは未知のファンダメンタルに反応するファンダメンタルの先行指標であるという考えに基づいています。投資のタイミングをとらえるツールと言えます。
テクニカル分析は、
の2つに大別できます。
更に、トレンド系は「時系列」と「非時系列」に区分できます。
トレンド系 時系列:ローソク足、ダウ理論、移動平均線、パラボリック、一目均衡表、エリオット波動
非時系列:ポイント&フィギア、カギ足、新値足、練行足
オシレーター系 時系列:相対力指数、MACD、ストキャスティクス、モメンタム、ウィリアムズ%R、
逆ウォッチ曲線、タイムサイクル
一般的に、トレンド系というのは中長期的分析に適し、オシレーター系は短期の予測に適していると言われます。
ローソク足は、始値・高値・安値・終値の四本で構成され、相場の方向性・転換点・力強さの程度を知る手掛かりとなります。始値に対して終値が高い物を「陽線」、始値に対して終値が安い物を「陰線」と呼びます。
上昇相場では陽線が多くなり、下降相場では陰線が多くなります。陽線、陰線は罫線とも呼ばれ、価格の足どりを見る上で欠かせないツールと言えます。ローソク足の上についた線を「上ヒゲ」、下についた線を「下ヒゲ」といいます。
また、ヒゲのついていないローソク足を「丸坊主」と呼び、ヒゲを伴う線の、実体の別や長さでも大まかな強さのニュアンスをみることができます。
トレンドラインとは傾向線のことで、ポイントとなる二つの点結んだ一本の線です。チャートは中大勢的なトレンドと、そのトレンドを構成しているいくつかの短期的なリズムから成り立っています。価格は、一般的に内外の環境の変化や材料を反映し、一旦ある方向に動き出すと、それを織り込むまで同一方向に長期間動く傾向があります。
価格が上昇、下降のどちらのトレンドにあるのか、あるいは横ばいを脱していないのか、その方向を見極める最も簡単な方法にトレンドライン(傾向線)の3点を見つければトレンドラインを引くことができます。例えば、下のグラフの場合、(ボトムA)-(ピークB)-(ボトムC)のAとCを結び、それが切り上がっていれば、その延長線が上昇トレンドラインとなります。
その逆で、(ピークD)-(ボトムE)-(ピークF)のDとFを結び、それが切り下がっていれば、その延長線が下降トレンドラインとなります。また、GとHがほぼ同水準の場合、それを結んだ延長線が横ばい(水平)トレンドラインとなります。
トレンドラインに平行線(アウトライン)を引き、価格の変動幅を見つけます。トレンドラインとアウトラインに挟まれたゾーンをチャンネル(水路、溝などの意)と称し、その継続期間が長いほど価格のトレンド性は強いことになります。
価格が、下降トレンドラインや水平ラインを上抜けた場合陽転、上昇トレンドラインや水平ラインを下抜けた場合は陰転となります。
価格は、山と谷を繰り返しながら動き、その山と谷の方向がマーケットのトレンドを決定します。上昇後に反落してつけた安値をサポート、下降後に反発してつけた高値をレジスタンスと呼びます。
売り圧力に勝る買い圧力が存在する価格水準ないし領域。通常、前回反落時の安値をさします。
売り圧力が買い圧力に勝る価格水準ないし領域。通常、前回反発時の高値をさします。
上昇トレンドの転換上昇トレンドにおいては、価格はレジスタンス・レベルで一時的に下がった後、通常は、再度そのレベルを超えて上昇します。 前回の高値を抜けなかった場合はトレンド転換のシグナルと見ることができます。
下降トレンドの転換下降トレンドでは、サポート・レベルで反発した後、またそのサポート・レベルを破って下降します。下降トレンドのなかで前回安値を破れなかった場合はトレンド転換のシグナルと見ることができます。
上昇トレンドにおけるサポートとレジスタンス 2、4のサポートはそれまでの反落時の安値。1、3はレジスタンスでそれまでの高値。
上昇トレンド転換の一例(ダブル・トップ) 5で前回高値3のブレイクに失敗し、さらに前回安値4を抜けたことでトレンド転換。と呼ばれるパターン。
下降トレンド転換の一例。(ダブル・ボトム) 5で前回安値3を抜けなかった時が底値形成の最初のシグナルとなり、更に高値4を抜けたことでそこを確認。
下降トレンドにおけるサポートとレジスタンス
移動平均線は米国の著名なチャーチストであるグランビル氏が考案し、過去一定期間の価格を平均してグラフに示したものです。期間の取り方によって短期線、中期線、長期線などに分けられます。期間が長いほど確実性が高く、相場の転換点を確実に把握できますが、それだけ遅行性が強まり、相場に出遅れてしまうケースがあります。一方、期間が短ければタイミングを見るには良いものの、信頼度は低くなるなどそれぞれ一長一短があります。
終値の5日移動平均線なら、直近の5日間の終値を合計し、5で割れば算出できます。
移動平均線利用の投資売買手法の基本となるのが、「グランビルの法則」です。
移動平均をトレンドと確認の追認シグナルとして使う方法が、ゴールデンクロス、デッドクロスです。期間の異なる2本の移動平均を使いその上下関係でトレンドの方向性を判断します。
ゴールデンクロス中期線が下から上へと長期線を上回った(クロスした)時、強気相場への強力なシグナルとなります。
デッドクロス中期線が上から下へと長期線を下回った(クロスした)時、弱気相場へのシグナルとなります。
※ 短期線・中期線のクロスを、ミニ・ゴールデンクロス、ミニ・デッドクロスと区別する場合があります。
単純移動平均線最も一般的に使われる移動平均線。単純に平均値を計算します。
加重移動平均線昨日と今日の終値を比べ、今日の終値にウェート置くように計算して出したもの。
移動平均の先端がより値動きに素早く反応すると考えられます。
指数平滑移動平均線一定期間の平均を求めるのではなく、過去全ての価格が計算対象。
単独で使うことはなく、他の指標の基礎データとして使われることが多い。
変位移動平均線単純移動平均を先行させたもの。
交差までに時間を要するのでその分ダマシのシグナルが少なくなります。
MACDは「移動平均・収斂・乖離トレーディング手法」又は「移動平均収束発散法」などと呼ばれ、2本の指数平滑移動平均線を使ったオシレーター・テクニックです。2本の移動平均の方向性や乖離などに注目して売買の判断をします。MACDの傾きからトレンドの方向性を見るといった利用方法もあります。トレンドを追求するトレンド系、振幅を測るオシレーター系両方の特徴を持ちあわせています。
移動平均線は一般的に、短期線は長期線より反応が早いため、トレンドの転換点近辺で両者のギャップが大きくなります。MACDはこのギャップの幅を計測したもので、通常の移動平均線ではなく、直近値にウェートをかけた指数平滑移動平均線に基づいて算出します。
MACDのシグナルは移動平均線のより売買シグナルの確認が容易で、シグナル出現も時に先行することがあることから、移動平均線の先行指標として用いられます。
通常は 短期 12日、長期 26日、Signal 9日 で計算されることが多い。
3.MACDとシグナルとの差(乖離)が最大となった場合も絶好の売買タイミング 以前に反転した位置がその後の反転ポイントの目安。0ラインの前後での反転も多い。
価格の動きと照らし合わせても、トレンド転換の予兆を察知できます。
4.ダイバージェンス(逆行)による反騰・下落の示唆 上昇の示唆 価格は下落中だが、MACDは上昇、又はMACDラインのボトムが切り上がっている。 下落の示唆 価格は上昇中だが、MACDは下落、又はMACDラインのトップが切り下がっている。
5.上昇・下降トレンド入りの確認MRSI(相対力指数・Relative Strength Index)は価格の上昇・下落に変動した値幅を考慮したうえで計算したものです。通常、過去14日間のデータをもとに計算されることが多い。
計算式は以下のような式
RSI = 過去14日間の上昇幅の合計 ÷ 過去14日間の値幅の合計 × 100%
相場がトレンドに沿った動きを見せているときは誤ったシグナルを出しやすい。
RSIが70%以上あるいは30%以下の数値を付けた後、相場とRSIが逆の動きを見せる状態
価格が上昇&RSI下降 → 上昇力は弱い上昇相場でRSI(70%以上)の山が直前の山を越えられないで、その後、直前の谷を割りこんだ場合は売りシグナル
価格が下落&RSI上昇 → 下落は弱い 下降相場でRSI(30%以下)が直前の谷を割り込まないで、直前の山を越えた場合は買いシグナル
エリオット波動の基本的な考え方は5つの上昇波動と3つの下降波動というリズムで反復を繰り返すというものである。
第1波:上昇 →第2波:下降 →第3波:上昇 →第4波:下降 →第5波:上昇
a波:下降 →b波:戻し →c波:下降
以上8つの波(5つが上昇、3つが下降)を1サイクルとしている。
波動論では、下降の3つの波(a→b→)は、先行する5つの上昇波(1→2→3→4→5)の“修正”と考えられています。
エリオット波動の基本的構成 エクステンション(延長波) エリオット波動の理想的な上昇トレンドは5つの波から構成されます。
そのうちの一つの推進波(第1波、第3波、第5波)がさらに5つの波に分かれて拡張する様相をエクステンション(拡張、延長)といいます。
エクステンションが起きるのは珍しいことではなく、大多数の波は3つの推進波のうちのどれかにエクステンションが発生します。 第1波がエクステンションを起こすことは珍しいが、第3波のエクステンションは株式市場で、商品市場では第5波のエクステンションがよく見られます。エリオットの波動には、エクステンション以外にも、ダイアゴナル・トライアングル(斜め三角形)やフェイラー(未達成)といった他の変形波もあります。
エクステンションを伴う推進波は第1波、第3波、第5波のうち一つの推進波だけです。よって第3波がエクステンションしたら、第5波のエクステンションはなく、第5波は第1波と類似したものになり第1波と第3波にエクステンションがなければ、第5波はエクステンションしやすいと予想できます。
様々なエクステンションのパターン 第5波がエクステンションした場合、2回復帰(ダブル・リトレイスメント)が起きる。
第5波のエクステンション完了後、
フィボナッチ級数は13世紀のイタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチが発見したものである。このフィボナッチ級数がエリオット波動理論の数学的基礎となっています。
フィボナッチ級数は、「ウサギの出生率」に関する数学的解法として発表された1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144……と無限に続く数列です。
この数列はさまざまな特性を有しますが、以下のような関係が最もよく知られています。
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